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大好きな本 2
小さな生活

津田晴美著  ちくま文庫

この本に出会って私の人生が少しずつ変わりました。それまで自分がなぜそのことにこだわるのか、わからないままで居たことを、著者はやさしいことばでわからせてくれたのですから。著者は語ります。「思い出と希望と不安と矛盾と未熟さと能力がいっぱい詰まっているひとりの自分が、人と、物と、部屋と、仕事と、社会と、いろんなことに出会いながらすべてに向き合って、ときには人の意見も聞くけれどしまいにはひとりで解決しなくちゃならない。この『しまいにひとりで』というのが人の生き方をなぜか素敵にしていく」。そうなんだ、と素直になれました。自分で決めること、それが私の命題でした。一つ一つが小さな章立てになっています。気楽に読めてじわりとしみてくる人生の書です。

旅好き、もの好き、暮らし好き

津田晴美著  ちくま文庫

こちらは旅をベースに綴られたエッセイです。人生自体が旅のようなもの。それを豊かにするのは自分の感性しかない。旅が好きで、海外での長い旅の経験が豊富な著者ならではのエピソードがたくさん。「所変われば…」。けれども自分の本質はそうかんたんには変わらない。そんな葛藤のなかでの自己発見がとてもおもしろい本です。これらの本に憧れて、熊本、東京4週連続往復して、著者のインテリアセミナーに参加した仲間があと二人いらっしゃるくらいですから。そんな行動のエネルギーをくれる本です。小さな感動の積み重ねが日々の暮らしを成長させてくれるのだと気づかせてくれます。

個人生活

光野 桃著 幻冬舎文庫

副題に「イタリアが教えてくれた美意識」とあるように、著者がイタリアで取材した人々の暮らしの場とそのひととなりをまとめた本です。私たちが普段決して見ることのないプライベートな空間を、さまざまな職業、さまざまな年齢の人たちが公開。「イタリアの美意識」としながらも著者のフィルターがかかっているために、一般的なレポートではなく、そこに著者自身の美意識が投影された血の通った読み物になっています。イタリアの旧家の重責をみごとにこなす夫人たちの日常や孤独なデザイナー、ヴェルサーチの屋敷。そこには私たちが思う以上の「美意識」へのこだわりが感じられます。美しい写真とともに楽しむイタリアインテリア紀行、みなさんもいかがですか。

遠い太鼓

村上春樹著 講談社文庫

ずいぶんと表紙がいたんでいることからもおわかりいただけると思いますが、なんども手にとっては好きな場所を読んでいる本です。小説家としての村上春樹ではなく、生身の村上春樹を感じることができて、春樹ファンにはたまらない1冊です。「ノルウエーの森」を書く時期と並行して、居ても立っても居られずに日本を離れて暮らした3年間が、著者らしい几帳面さでつづられます。けれどもその内容はいつもの小説とはまったく違った、山有り谷有りの珍道中。春樹さんでも人生は思いどおりには運ばないものなのねえ、ととても安心。ヨーロッパ各地の生活事情、個性ゆたかなひとびとのこと。それらを軽快なタッチで描きだす筆力は最高です。

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